獣医になってしまったブログ

獣医になってしまったブログ。あと他にも好きなこと書きます。

公務員獣医師不足問題について物申す

「獣医が足りない」

とはよく言われていることでしたが、最近の一連の報道により注目されることとなりました。

獣医師の数として、

「分野的、地域的な偏在はあるが、総数としては足りている」

というのが国の見解のようです。

 

ここで分野的な偏在と言うのは、小動物臨床すなわち動物病院に勤務・開業する獣医師の数が非常に多く、地方の行政に従事する獣医師が非常に少ないということをあらわしています。

地域的な偏在はそのままですね。都市部に多く、農村部に少ない。

 

現に、地方公務員獣医師の募集に対して、定員割れしている自治体がほとんどです。

二次募集や随時募集、待遇の改善といった取り組みをして獣医師募集を促していますが、なかなか集まらないのが現状です。

 

ここで問題になるのが、

新たに獣医学部を設立すれば公務員獣医師は増えるのか

ということです。

地方に開設すればその地方の獣医師は増えるだろうという考えのようですが、

獣医学科の背景を捉え切れてないことが伺えます。

 

医科大学の現状を分かっていない

まずそもそも、全国に獣学科のある大学は全部で16校しかありません。

対して、獣医学科に入りたいと願う学生は多く、非常に人気のある学科であることは各大学の倍率からも明らかです。

そのように人気があってなお学校がわずかしかないのですから、地元出身の人たちだけで構成されるわけがありません。国立だろうと私立だろうと、ほとんどは県外出身者で構成されているはずです。

ゆえに、卒業後もその地域でしかも、そこの行政に入ろうなんて思う人がたくさんいるわけありません。行政に入るのなら永住を考えるので、地元で就職しようと思うのが普通のはずです。

 

公務員獣医師の待遇改善を求める声もあるが・・・

ではどうしたら公務員獣医師が増えるのか?

様々な議論が展開されていますが、

動物病院との格差是正のために、公務員獣医師の待遇改善をするべきだ

と述べている政治家がいますが、

正直これもズレていると思います。

公務員獣医師の待遇改善には賛成なのですが、動物病院との格差という点に疑問を持つのです。

 

というのも、動物病院の待遇なんて全く良くないからです。

動物病院の獣医師にどういうイメージを持たれているか分かりませんが、

安月給であることがほとんどです。

年収で考えれば公務員より低いことは全く珍しいことではありません。

開業して大きな利益をあげられる獣医師も決して多くはありません。

開業すれば借金を背負いますし、成功する保証はありません。人生のこの先自分に何があっても休まずに働き続けなければならないのです。

 

そう考えると、むしろ待遇は公務員のほうがいいかもしれません。なんといったって公務員なのですから。(相対的に述べているのであって、公務員獣医師の待遇が絶対的に良いわけではない)

 

公務員獣医師が少ないのは・・・

ではなぜ公務員が少なくなってしまうのか。

それはイメージの差だと思います。

獣医科に入る学生はまず間違いなく、動物病院の獣医師を想像して入ってきます。

そうなると、動物病院に就職するのは必然だと思います。

みんなもとからの夢とやりがいを求めて動物病院に行っているわけです。

6年の過程の中で気持ちが変わる者もいますが少数派です。

なので、

・入学までに獣医のイメージを変える

・入学後に公務員獣医師をより知ってもらう

ことが必要と考えます。

 

・入学までに獣医のイメージを変える

世間では獣医といえば動物病院というイメージしかありません。

獣医師が話題になった今こそ、公務員獣医師のことを知ってもらう機会だと思います。もっとPRすべきです。特に高校や中学校といった学生を相手に仕事を知ってもらう必要があるはずです。

 

・入学後に公務員獣医師をより知ってもらう

というのも、獣学科の学生でさえ公務員獣医師が何をしているのかというのを知らない学生が多いのです。もっと知ってもらえば、公務員を志望する獣医学生も増えるはずです。

公務員獣医師に必須な教科をよりおおく勉強させるようにするためのカリキュラムの見直し、現場実習の必須化など改善の余地はまだあるのではないでしょうか。